中学受験は通信教育だけでは対策できない!塾講師が教える通信講座で偏差値が上がる子供の特徴

中学受験を控えている家庭で、通信教育を検討しているのならば注意してほしいことがあります。

塾に行かずに中学受験に合格したという口コミを見て、通信教育だけで中学受験対策をしているご家庭もあります。

ですが正直なところ、通信講座だけで中学受験の対策をするのは、かなり厳しいと理解してください。

塾講師として中学受験をした子供を見てきましたが、通信教育だけで合格するのは至難の業です。

その理由として今の中学受験は

  • 昔より難易度が上がっている
  • 志望校ごとの対策が必要

という特徴を挙げることができます。

個人的に通信教育は小学生の勉強には良い影響を与えると思っております。

参考:小学生の通信講座で成績は上がらない!?塾講師が教える通信教育の勉強法

一般的な小学校の勉強では、かなり役立つ内容になっております。

ですが、中学受験に関しては欠点もあるので、それを理解しないと失敗してしまいます。

ただ通信教育が中学受験で役に立たないわけではありません

中学受験で通信教育を利用する場合、その特性をよく理解して使うことが大事だと覚えておいてください。

では中学受験で通信教育を利用する場合、どう勉強すれば効果的なのか、そしてどの教材がお勧めなのかを紹介します。

目次

中学受験で通信教育が通用しない理由

まず中学受験と通信教育の関係で、最初に覚えておいて欲しいことがあります。

それは通信教育は万人向けの内容になっているため、中学受験に特化しているわけではありません。

通信教育の教材によっては中学受験コースもありますが、それだけでは不十分なのです。

その理由は、中学受験の対策は志望校ごとに異なるからです。

中学受験の出題問題は、志望校によって傾向と対策が異なります。

極端な話ですが、偏差値70台の開成中学校と偏差値60台の東京都立桜修館中等教育学校では出題される問題は別ものです。

中学受験対策と一言で言っても、受験する中学の出題傾向に沿って対策をしないと全く解けないこともあります。

今の通信教育は優秀ですが、それでも中学受験対策で利用するには不足している部分があるのも事実です。

では中学受験対策で通信教育を利用する意味はないかというと、決してそんなことはありません。

中学受験対策の通信教育で成果がでる子供

個人的には通信教育だけで中学受験に合格するのは、かなり厳しいと思っています。

ですが教育関係の仕事をしているので、通信教育の有効性は理解していますし、中学受験で全く役に立たないと言い切れない部分もあります。

その理由は、その生徒のレベルによっては通信教育を使った方が偏差値が上がるからです。

具体的にどんなレベルかですが、

  • 小学校低学年
  • 基礎ができていない高学年

この2タイプについては、中学受験で通信教育を使うことで偏差値が上がる可能性を秘めています。

小学校低学年

小学校低学年は、本格的な中学受験対策をするにはまだ早い時期になります。

※筑波大学附属駒場中学校や開成中学などの超難関を狙う場合は、この時期から難問を解き始めるので除外します。

そもそも低学年の頃に難問を解こうとすると、全く理解できず中学受験を挫折してしまいます。

この時期はまず勉強になれることと、基礎力を身に着けることを重視する必要があります。

本格的な中学受験の前に基礎力を身に着ける勉強法として、通信教育を使うのはとても効果的だと思います。

基礎ができていない高学年

小学校5年生と6年生(4年生も対象になります)などの高学年で、基礎力が身に着いていない子供は中学受験に苦戦します。

4年生以降で中学受験を開始している家庭や、間違った勉強をしてきた子供などがこのタイプに当てはまります。

余談ですが、中学受験をするからと高学年から塾に通ってはみたものの、基礎ができていないために意味がなかったという生徒も実は多いです。

塾によっては実績を作りたいので、できる生徒は伸ばすが、できない生徒は放置することも実はあります。(授業はするので、生徒次第というスタンスです。)

中学受験は基礎力がないと、応用問題は絶対に解くことができません。

高学年から中学受験の勉強を開始したが、基礎力がなく偏差値が伸びていないのであれば、通信教育を使って基礎を身に着ける勉強法は効果的です。

どちらのタイプにしても、基礎力を身に着ける意味で通信教育を利用するのは中学受験対策として効果的です。

中学受験におすすめの通信講座を比較

中学受験の対策を通信教育だけで行うのは危険ですが、基礎力を身に着ける意味では利用価値がとても高いです。

有名な通信講座をいくつか試してみましたが、下手な塾や家庭教師よりも優秀な教材が増えました。

それぞれの通信教育の特徴について説明するので、子供に合っていると思ったら試す価値はあると思います。

※あくまで中学受験に必要な基礎力を身に着けられるかについての「おすすめ」になります。本格的な中学受験対策は、学校ごとの傾向を分析した勉強が必要です。

スタディサプリ

おすすめ★★★★★
月額料金980円
特徴中学受験対策の基礎力を身に着けられる

リクルートが提供している通信講座で、小学講座で中学受験の基礎力を身に着けることができます。

参考:スタディサプリで中学受験の対策はできるのか

色々な雑誌やブログなどでも口コミ評価が高いだけに、よくできた内容になっています。

動画視聴を中心に、基礎的な内容を理解できる工夫がされている良い通信講座と言えるでしょう。

ただ自発的に勉強しないといけないため、親も一緒に動画を視聴するなど勉強を飽きさせない工夫が必要です。

中学受験で利用している家庭も増えています。月額980円と考えると、コスパは一番良い通信教育と言えるでしょう。

動画の授業もかなりレベルが高いので、中学受験の基礎を身に着ける勉強としておすすめできます。

進研ゼミ チャレンジタッチ

おすすめ★★★★☆
月額料金3343円~
特徴多彩な教材で中学受験の基礎に対応

小学生が利用している通信講座でも人気が高い進研ゼミの通信教育です。

考える力を身に着ける「考える力・プラス」講座は、基礎力だけではなく応用力も身に着けられます。

内容も充実しているので評価は高いのですが、公立中高一貫校向けとオプションになるのがマイナスです。

ですが公立中高一貫校を目指すのであれば、使う価値がとても高い通信教育として評価できます。

小学生の勉強ノウハウが充実している進研ゼミならではの、多彩な教材は中学受験でも役立ちます。

中学受験講座まで入れるとコスパはそこまで良くないですが、基礎力を身に着けられる教材としておすすめできます。

スマイルゼミ

おすすめ★★★★☆
月額料金3200円~
特徴中学受験まで対応しているカリキュラム

小学生の通信講座で多くのサイトで人気No.1となっている口コミ評価が高い教材です。

中学受験講座というのはないのですが、発展クラスで中学受験レベルの問題を勉強することができます。

スマイルゼミの良いところは、システムで学習進捗の管理がしっかりとできるところです。

ソフトウェアを数多く作っているジャストシステムだけに、こうしたITを取り入れた内容が充実している印象です。

中学受験の基礎力も身に着くのでおすすめですが、タブレットが専用機なので壊れた時が怖いや、添削がないなどコスパを考えると要検討の要素もありました。

基礎力や応用の学習もできますし、タブレットはとても優秀です。

ただ授業のスタイルは淡泊なため、勉強が嫌いな子供ができるかという不安も残りました。親が管理できれば利用価値が高い通信講座です。

Z会 中学受験コース

おすすめ★★★★★
月額料金5833円~
特徴中学受験のノウハウが詰まっている

受験で有名なZ会だけに、中学受験の対策としては他より頭一つ抜けている印象です。

学年ごとの対策もしっかりとできているので、中学受験を控えているなら使ってみてほしい教材としてイチオシです。

もちろんZ会だけで合格は難しいでしょうが、担当や添削もあるので、補助として勉強の効率を上げることができます。

気になったのはiPadなどApple社の端末限定ということです。

小学生の勉強としてはレベルが高いかなという印象ですが、中学受験に関しては試してほしいレベルの教材としておすすめできます。

RISU(リス)

おすすめ★★★★☆
月額料金2480円~(利用した分だけ課金)
特徴算数に特化した中学受験対策ができる

算数特化の通信教育なのですが、その内容はかなり充実しているのでおすすめします。

「鶴亀算」「流水算」「鮮やかに解ける計算」など、中学入試で出題されやすい問題を東大等のフォローで勉強できるのは値段以上の価値があります。

算数が苦手という生徒はかなり多く、そんな子供に是非使ってほしい教材です。

算数特化なので他の教科の対策ができないマイナスはありますが、それ以上の価値がある高評価の通信講座です。

口コミで話題になり、中学受験対策で利用する家庭も増えてきました。

今後もサービスの質が高いレベルを維持できるか不安もありますが、算数攻略の糸口としておすすめできます。

すらら

おすすめ★★★☆☆
月額料金入会金10,000円(税抜)※無料キャンペーンあり
8000円~(短期コースもあり)
特徴中学受験の抜けを補強できるサポートの質

中学受験対策として他の通信教育ほど充実していませんが、サポートの質が評価できるのでおすすめとしました。

どちらかというと勉強嫌い、勉強しない子供に、勉強の楽しさを教えることを目的としている通信講座です。

中学受験を考えているけど、子供がどうしても勉強しないという家庭に試してほしい通信教育です。

中学受験特化の通信教育ではないが、自発的に勉強できる子供になる目的ならおすすめできます

通信教育は親のサポートが必要

通信教育は、自発的に勉強できる子供であれば偏差値アップが期待できる勉強法になります。

ですが、子供が勉強しないと悩んでいる親御さんは多いです。

中学受験の悩みで、「子供が勉強しない」は常にランキングしています。

通信教育は優秀な教材ですが、小学生の勉強の補助として使うなら親の管理は必要だと思います。

スマイルゼミやZ会などは、学習の進捗が確認できる機能があるので、その点では優秀な通信教育と言えます。

ただ、それだけで解決するわけではなく、やはり教材そのものに魅力がなければ勉強は続かないでしょう。

どの通信講座も無料体験があるので、最初は子供が興味が持てるか無料で試してみるのがおすすめです。

そこで効果が期待できれば継続すればいいですし、駄目だったら他の教材を試せばいいのです。

成績アップのきっかけは、勉強が楽しいと思えるかどうかです。

中学受験は簡単ではありませんが、やはり勉強が楽しいと思っている子供ほど偏差値が高くなります。

通信教育を利用する場合は、子供が興味を持っているかを親が確認することも忘れないでください。

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